視察先米国東海岸(ニューヨーク、コネチカット、ボストン)Bloomberg、Brookryn Brewery、Google、Warby Parker、Marriot hotel、Indeed、MIT、Boston Red Sox、Harvard university、Legal Seafood 随行コンサルタント:住友勝、三浦康志、小平 勝也、岩崎剛幸、小池彰誉、宮内和也 |
米国東海岸(ニューヨーク、コネチカット、ボストン)の視察ポイント
<ニューヨーク>
世界トップレベルの金融、マスコミ、ブランドビジネスの中心であるニューヨーク。古きを大切にすると共に、同時多発テロによりゼロからの再開発となったエリアが復活を遂げ、新たな中心となっている。
全米一、世界一の生産性を実現する街に発見した、働きがいのある会社、イノベーティブな会社を視察。
<ボストン>
世界トップレベルの産学官が融合した都市。世界大学ランキングトップのマサチューセッツ工科大学とハーバード大学を擁する都市であり、IT、バイオ、医療等の領域で新たな試みに町ぐるみで取り掛かるパイロットタウン。
持続的成長を加速させる頭脳・金・人脈が集まる場所で今知っておくべき未来を視察。
ツアーレポート
【DAY1】 |
2017年10月8日(日) 視察1社目:ROUND1(ラウンド・ワン)
(1)ラウンド・ワン米国現地法人の概要 (2)なぜアメリカに進出したのか? (3)ラウンド・ワンのアメリカにおけるビジネスモデル (4)ラウンド・ワンがアメリカで成功した理由
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【DAY2】 |
2017年10月9日(月) 視察2社目:Oculas/One World(オキュラス/ワンワールド)
(1)オキュラス/ワンワールドの概要 (2)ブルックフィールド・プレイスについて
視察3社目:Bloomberg(ブルームバーグ) (1)ブルームバーグの概要
(2)ブルームバーグの企業理念と文化 (3)ブルームバーグのビジネス (4)ブルームバーグの人材育成
(5)ブルームバーグ端末の展開 視察4社目:タイム・ワーナーセンター
ニューヨーク市・マンハッタン、セントラルパークの南西に位置するショッピングモールである。 |
総括
【中小企業こそデジタルシフトに注力し、部門化すること!】
Googleはyoutube directorアプリを通じて、自分の手のなかで、わずか30分程度で質の高い動画を事前知識なく誰でも作れてしまうという体験をさせてくれました。これは大変な驚きでした。日本のネットユーザーの60%がYoutubeを利用しており、youtube広告はgoogleの広告主の96%が採用するまでになっており、その有用性が徐々に認知され広がり始めている。
またamazonが始めたサービスはAmazon echo/echo showという音声認識ツールで、家庭で音楽を聴きたいときや本を購入したいとき、また買収したホールフーズマーケットの注文も音声認識で完結できるようになっている。
ウェブツールはもはやテキスト(文字)ではなく、音声と動画の時代が到来したことを告げる事例だと思います。
ウェブツールの進歩は、これまで資本力がなくて取り組めなかった中小企業にとっては、大きなチャンスと捉えることも出来ると思います。
また、プラットフォームを作ることが難しい中小企業は、それを有効活用するために黎明期から活用し、プラットフォーム内におけるユーザー数を徹底的に増やすために、ブログ、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターを駆使すること。顧客になり得る読者数や登録数の最大化は、この先のビジネスに取り組んでいく上では、最も大切なことだと思います。
そして、これらを取り組むために経営者が取り組まなければならないことは、この仕事を専任化させる人財を確保することです。ツールの利用法を考えて、自社の顧客のターゲットに合うコンテンツを作れる人財が必要です。後に解説する、データ分析も併せて担わせるのであれば、部門化まで考えても良いと思います。
【データを前提とした経営へシフトし、顧客、商品サービス、売り方のいずれかを変える】
ITがどのくらい進歩しようとも、何を根拠に経営をしていくかという軸は、今も昔も変わらず、顧客やユーザーのニーズにマッチしているかどうかのみだと思います。
ニーズを掴みさえすれば、googleのように1年で売上1兆円増、従業員1万人増という圧倒的な成長を遂げることも可能です。
従来よりも人間のニーズは多様化してきているために、これを掴まえることは簡単ではなかったが、ITツールの発達によってデータが取れる環境が整ってきました。
Indeedでは、応募者は何が気がかりで、何を解決すれば応募者を集め採用することができるのかを徹底して分析して、応募者の不安、応募の決定要因、応募者の行動をすべてデータとして握っていることがindeedの最大の強みになっています。
また、本来はOnline のみで完結するAmazonも、実店舗であるamazon booksを立ち上げた背景はそこにあります。小売業全体の取引額に占めるECの割合は相当成長したといっても8%程度にすぎず、実際の取引はリアル店舗で行われています。
そこでアマゾンは収益を最大化しようとして実店舗を作り出しました。この店舗に置いてある本は、オンラインでデータを蓄積した売れ筋商品(レビュー得点が4.5以上の本)のみを置いてあり、絶対に売れる品揃えにし、ウェブと同じ価格で買えるようにしていいます。
Boston Red Soxは、マーケティングのターゲットを大人から子供に移しました。この根拠は2015年に収集したデータは、次のようなものでした。
初めて球場に足を運ぶ年齢を3~5歳と13歳~15歳の2つのカテゴリに分類しデータ分析を行うと、将来の球場への来場率は65%以上「初めて球場に足を運ぶ年齢を3~5歳」の方が高いというデータが出ました。このことでいかに来場するタイミングを早められるかという下記の施策を打ち出しました。
・子供のファンクラブでは、チケットを1枚無料へ。
・VRを使って楽しむ装置を設置する。
・集中力のない子供のために左翼スダンドには子供の遊び場を設置して、3回から7回まで開放する。(そして試合が決着しやすい7回以降はスタンドに戻らせて勝利の瞬間のエキサイティングな経験をさせる。)
このように購買行動のデータを取ることで、マーケティングの顧客(ターゲット)、商品サービス、売り方を見直すことで、業績アップを果たせるようになると思います。
【心理的安全性を確保し、スタッフ一人一人が能力を発揮できる環境を整える】
心理的安全性という言葉が新たなキーワードとして出てきました。この心理的安全性は、宗教的、政治的、人種的、性別的な差別のない環境、不当に低い評価を受けない評価システム、トップとの距離の近さ、困ったときに手を差し伸べてもらえる環境などを指すのだと思います。
この心理的安全性が保障されているチームはそうでないチームに比べて、実に40%近くも売上目標に対する達成率に差が生じるという事実もデータとして出ているようです。
ただ、経営者は従業員とは一番対極のポジションにあるため、この心理的安全性の確保は相当に気を配らないと実現は難しいしょう。
そこで、まず経営者がするべき最初の一手は、社員一人一人との会話量を増やすことで十分に担保できると思います。ただ、この会話をするためには、相手をある程度知っておくことが重要で、普段からの社員に声掛けをして社員のプライベート環境を把握しておかないといけません。
例えば、家族構成や本人の趣味趣向、考え方の特徴などです。結果として社員が気兼ねなく話してくるようになると、心理的安全性確保の第一歩目は達成できるのではないかと思います。
まず、従業員と経営者との関係性を身近なものしておくと残りの項目もスムーズに浸透していくのではないかと思います。
【業種ではなく、何を解決する会社なのかをミッションとして打ち出すことが人財マネジメント(採用・定着)の最初の一歩になる】
どの視察先にいっても、真っ先に出てくるのがミッションの紹介です。会社概要や売り上げや利益の規模よりも重視していることがわかります。
・google:世界中の情報を整理し世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること
・indeed:we help people get jobs
・legal seafood:If it isn`t fresh, it isn`t legal
グーグルでもインディードでも、リーガルシーフードでも、それぞれの会社のミッション(目指すべきもの/世のためひとのためになること)をしっかりと持っており、且つそれが社会性とマッチングしていることがそもそも働き甲斐の源泉となっていると感じました。
その働き甲斐に人は惹きつけられて魅せられて集まってくるのでしょう。
そして、業務自体はそのミッションを実現するためのツールに過ぎないように感じました。
自己変革を起こすほどの驚き・刺激を得よう!